つぐみ

辰巳のつぐみのレビュー・感想・評価

辰巳(2023年製作の映画)
3.4
前作「ケンとカズ」のことを全然褒めてないなりに「すごい才能はあると思う」と評したので(今見返して思い出した)初期衝動はそのままにブラッシュアップされてるといいなあという気持ちで見ました。映像はかなり美しくなっていたし、確実に階段を登っているとは感じた。季節くんでよいスタートダッシュ!!


…けど、全て古いし、ベタすぎるし、クサい、かな…邦画でノワールをやり切りたい、暴力描写も躊躇しません!!っていう意志は伝わるんだけど、もうちょっとこの時代に撮る意味とか、独自の視点が欲しい。過去に見たどれに似てるって列挙したいわけじゃなくて、辰巳というヒーロー像もちょっと典型的すぎるし、リュウジ?のあのギラついた目に、舌を出す仕草、あれ2024年に本気でやっちゃう??「あえて」じゃなくて??東映や角川映画オマージュとかじゃなく??

あと何より女の描き方が嫌過ぎ〜😭😭😭ぶっきらぼうで粗野だけどピュアな心を持つ野良犬みたいな蒼も類型だけど、京子の「バカな男を訳アリ事情を込みで理解して一歩引いて待つ、バカな妹も面倒見てあげる、度量が広くて物分かりのいい女」が、これまたバカな男に殺されるの、嫌過ぎ〜😭😭😭チンケなヒロイズムの犠牲にしないでほしい😭😭😭

それ言ったら「京ちゃんの何が好きだったの」ってあの一連のやり取り、マジで寒過ぎるし、ホストの元彼とどうこうで、「京ちゃんって抜けてる」ってほっこりエピソードみたいに笑い草にするの、本気で面白いと思ってるんだとしたら、この監督、暴力描写は百歩譲っていいとして、ユーモアのセンスはマイナス一万点では??
しかもあのシーンが、最後のバトルシーンへの箸休め、とか緊張に向けた緩和だと思ってるんだったらミソジニーにも程があるよ。そこらへんをアップデートして欲しいんだっての。

服も顔も血塗れで怯まないヒロインを描いてる割に起きたら髪の毛サラサラになってるのも詰めが甘すぎでは??殴られるシーンは辞さないのに、そこは可愛くしてあげちゃうんだ、そしてその直後にはまた髪ボサボサという整合性のなさな笑

全体的にみんな芝居が硬いなという印象も最後まで拭えなかったし、辰巳が死んでから、まだパートあるんかい!っていうテンポの悪さ、二次会行くひとー?ってダラダラしてるあの時間みたいで苦痛だった。

なんでこんな文句タラタラ言っちゃうかって、季節くんがあんだけの登場なの以上に、なんでここに毎熊さんがいないんだよ!!ここシメてくれんの毎熊さんしかいないだろ!!!勝手に出てると期待してがっかりしてる私が一番バカだね!!笑
つぐみ

つぐみ