fky

辰巳のfkyのレビュー・感想・評価

辰巳(2023年製作の映画)
4.7
2024年現状マイベスト!シモキタエキマエシネマK2。信用できるお客さん達と110分間の大満足体験。そういえばこの劇場はパンフは売ってない感じ?目黒シネマの90s特集と迷ったが、あちらはラインナップを眺めているうちに逆にあざとく感じてしまいこちらに。

相変わらず国産ノワールには「面白い」よりも先に「嬉しい」気持ちが沸いてしまうが、キャストも様々な邦画から信頼できる面々が集っており頼もしい。森田想さんの「ムカつくけど守りたい」少女像が素晴らしい。

シーン一つ一つにこだわりと労力が感じられる良い作品。死体の口腔を覗き込んでの人体欠損シーンや、キョウちゃんが出血多量で死ぬまでに代表される、痛みからの死へのシームレスなショット、リュウジがタケシの死を知る屋上駐車場シーンなど、フレッシュな描写がいっぱい。

「ケンとカズ」の切なさ爆発の小路映画とは異なるメジャー的、楽しみやすい構成で、いつの間にか巻き込まれ遠くに連れてこられた感覚。ギャグシーンやほのぼのするシーンも様々挟み込まれているのに、リュウジの白い車がじわじわ迫る後半の廃車場バトルシーン、そしてその前のアニキとリュウジが対峙するシーンはしっかり怖いしテンション上がる。来月は入江悠監督新作ですね。
fky

fky