『辰巳』小路紘史監督は初。濃いめの顔と顔との対峙で語っていくヒリヒリ感。アップと肩ごしの切り返し、ジャスト横顔という絵面に、必ずいがみ合う会話で攻めてくる。ただ個人的には同じようなパターンが続き、さすがに後半は飽きてしまった。引きの面白いショットもあったが、どうも使いこなせていない感じで浮いてる。
主役の遠藤雄弥は、ちょうど朝ドラの「虎に翼」で見かけたが、本作の影があるが根は優しい役にピッタリで今後も期待。森田想は『わたしの見ている世界が全て』に続き、挑戦的な役で生き生きとしていた。野球の清原みたいでいかつい後藤役の後藤剛範の顔も覚えた。竜二の倉本朋幸は演出家らしいが、ここまでインパクトがあると、またいつか役者として見てみたい。そんなバラエティ豊かなクズ顔映画。
