ゆき

辰巳のゆきのレビュー・感想・評価

辰巳(2023年製作の映画)
4.0
覚悟

確かに優しすぎる男だと思う、辰巳。
人の弱みを露わにするような構図に集中力を鷲掴みにされた108分。
人の狂気は白めの多さとよだれで十二分に伝わる。
物語が進むにつれて、画質が艶めかしくなっていく印象。恩や貸しを軸に人物描写が濃くなっていく。
配役はオーディションでの選出とのことで、遠藤雄弥さんの眼圧とマイルドな凄みも森田想さんの愛おしいやさぐれ方もすごく魅力的だった。
こんなにも哀しい復讐シーンはあっただろうか。
冒頭の兄弟の確執の魅せ方やラストシーンの余白も含め、とてもタイプの一作でした。
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バラシ屋として他人の尻拭いに迫られる辰巳。ある日、元恋人から頼まれ、彼女の妹・葵の世話をすることとなる。
ゆき

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