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The Orchid Gardener(英題)のssのレビュー・感想・評価

The Orchid Gardener(英題)(1978年製作の映画)
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ラース・フォン・トリアーの原点を見た。
若き日のラースが主演した自主制作フイルム。精神を病むアーティストが主人公。セリフは少ないが、この頃からラースの異常性が発揮されていた。鳩の頭を捻り、ちぎったあと、その血で頬を赤く染めるシーンは実際に撮っていると聞いて戦慄した。
後の『ハウス・ジャック・ビルト』では、強迫性障害で殺人を芸術に昇華しようとする主人公ジャックの物語だったが、ラースの過去作品の映像が差し込まれる描写があり、ジャックはラース自身の投影だということが分かる。ジャックの幼い頃の回想シーンでは、アヒルの脚をペンチで切断するシーンがあるが、これはこの作品での自分なのではないか。ジャックは自分の中で葛藤を演じる相手として老人と議論を交わしており、最後は結局地獄に堕ちてしまう。ラースは自分の中の暴力的な芸術性を信じていたが、今になって迷いが生じ、苦しんでいるのではないか。と町山さんが言ってました。

2020 #74
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