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ようこそ映画音響の世界へのYYamadaのレビュー・感想・評価

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)
3.7
【ドキュメンタリーのススメ】
ようこそ映画音響の世界へ (2019)

◆ドキュメンタリーの種類
 証言に基づく「解説型」
◆描かれるトピックス
映画の中で音楽が果たす役割

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・1927年に初のトーキー映画『ジャズシンガー』が誕生して以来、常に進化を続けている映画音響。
・本作では『キング・コング(1933)』『市民ケーン』『ROMA ローマ』など、新旧名作群の映像を使用し、映画音響の世界を紹介、映画における「音」の効果と重要性に迫っていく。

〈見処〉
①あの音はどうやって作られたのか?
 ハリウッド100年の音がここに!
・『ようこそ映画音響の世界へ』(原題:Making Waves : The art of Cinematic Sound)は、2019年に製作されたドキュメンタリー。
・本作は『スター・ウォーズ』のベン・バート、『地獄の黙示録』のウォルター・マーチ、『ジュラシック・パーク』のゲイリー・ライドストロームといった映画音響界のレジェンドたちのインタビューを盛り込み、彼らの創造性が映画界にもたらした功績を解説。
・また、ジョージ・ルーカス、デヴィッド・リンチ、スティーヴン・スピルバーグ、ソフィア・コッポラ、クリストファー・ノーラン、アン・リー、ライアン・クーグラーなど、著名な映画監督の証言も、映画音響の重要性に説得力をもたらしている。

②本作で語られるエピソード
・主観ショットに有音と無音でリアリティーを増す『プライベートライアン』
・『キングコング』、架空動物の鳴き声を作る
・ラジオ放送と空間反響を操るオーソン・ウェルズ
・コッポラ×ルーカスによる映画スタジオ、ゾエトロープ社。『THX1138』の挫折と『ゴッドファーザー』の成功。
・バーブラ・ストライサンド主演『スター誕生』(1976)、ステレオ音響の始まり
・ルーカス、デ・パルマ、スピルバーグ、スコセッシ…70年代「創造の時代」と『スター・ウォーズ』
・音響の傑作『地獄の黙示録』
・『ジュラシック・パーク』『トイ・ストーリー』『マトリックス』、CGの時代と音響の関わり
・アフターレコーディングの重要性
・「音で演技する」…別録り環境音「フォーリー」

③結び…本作の見処は?
◎: サイレント映画から、史上初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』への変遷から、
『ROMA ローマ』『ブラック・パンサー』に至るまで、音響を通じた映画史が凝縮されたドキュメンタリーとして、映画ファンには見逃せない作品。映画は音で楽しむものということを再認識させてくれる。
○: 本ジャンルにおいても、コッポラ、ルーカス、スピルバーグら70年代のフィルムメーカーが重要な役割を担っていることがわかる。
○:「実際のジェット機の音を録ったら、意外と退屈だったため、『トップガン』では、実世界にない音を作った」などのエピソードが興味深い。
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