真っ黒こげ太郎

白頭山大噴火の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

白頭山大噴火(2019年製作の映画)
4.3
半島が、崩壊する。

(ちょくちょく目にしてたけど韓国産のディザスター映画かぁ)


「核爆発でマグマの圧力を下げるのです!」

(あ、ドンソク兄貴だ!ってか韓国でもそれで解決するのはお約束なのね。w)



北朝鮮から核を奪い、大噴火を食い止めろ!!!

(そうそう北朝鮮から…)


…ファッ!?






北朝鮮と中国の国境付近に位置する大火山、白頭山が突如大噴火し、それに伴う大地震が発生!!!
ビルが崩壊し、大地が裂け、巨大な橋も崩壊する大惨事に!!!

3年前から大噴火を予言していた(そしてスルーされていた)、マブリーな地質学者のカン・ボンネ教授によると、火山の下には後3つの噴火待ちのマグマ溜まりがあり、最後の一つが噴火すると半島が崩壊する大惨事になる。
だが白頭山にある炭鉱で核爆発を起こし、圧力を下げれば噴火を食い止められるという。

何時ものB級ディザスター映画ならここでさっさと核ミサイルぶち込んでそのまんま解決できそうなのだが、よりによって災害が起きたその日に北朝鮮とアメリカ合衆国は朝鮮半島非核化に合意していたのだ!!!
その為何処も核ミサイル持ってねぇ!!!何でこんな時に!!!www


そこで特殊部隊員達が北朝鮮がコッソリ奪っていた核弾頭を盗み、それで炭鉱を爆破する計画が立てられる。
その中でミサイルを解体して爆弾を作るチームに、除隊寸前だった爆発物処理班チョ・インチャン大尉が無理矢理駆り出される。

だが、現場に向かう途中のドサクサでがインチャンのチームを除いて部隊が全員死亡!!!
仕方なくインチャンとそのチームが核爆弾の奪取や爆破をする羽目になってしまう。

だが、核ミサイルの隠し場所を知る工作員リ・ジュンピョンが中々いう事を聞かなかったり、そもそもジュンピョンが悪いヤツに核を売って逃げようとしたり、この期に及んで非核化しようとするアメリカ軍が邪魔してきたりで、噴火阻止ミッションは困難を極めるのだった。




活火山大噴火による半島崩壊を防ぐ為に、爆破処理班と工作員の2人が大奮闘する、ディザスター・アクション超大作!!!!
単なるディザスター映画かと思って予告を見てたら、何かスゴイ方向に行っちゃってて気になったので鑑賞。


本作、お話自体は「大災害が起き、学者がトンデモ理論を展開し、それを危機を犯して実行!!!」というまぁこの手のディザスター映画らしくありがちなプロットではあります。
その点今作はテンポが滅茶苦茶速く、始まって直ぐに大災害が発生し、そのまま(多分)30分もかからずに核爆破作戦が発案されます!!!早ッ!!!
そのまま行けば3~40分で災害を解決させて映画が終わりそうなモノなんですが(爆)、上記のあらすじの通り色々あって(適当w)核を手に入れなければならなくなったので、仕方なく北朝鮮に潜入し幽閉されていた工作員から核ミサイルの場所を聞き出しそれを炭鉱に持って行くという展開になります。

んで、そこでチームのリーダーである大尉と幽閉されていたスパイの男が共闘することにます。
大佐は除隊寸前で家族も待っているが、無理やり駆り出され最終的には駄々をこねながら泣き言を垂れ流したりする、何処か頼りない(でもやる時はやる)ヘタレ男。
スパイの男は謎の多い男でやたらスカーフェイスで戦闘慣れもしてるので、人間的には頼りになりそうだが何故かしょっちゅう裏切るので油断ならないタフガイ野郎。
そう、今作は表向きはディザスターパニック映画を装っており(実際その要素もあるが)、その正体は凸凹な男2人のバディアクション物だったのだ!!!

この芯は強いけどヘタレな男&頼りになる男のタッグは「ザ・ロック」を彷彿させる感じでいいですね。
しかし、あっちと違って強い男の方がしょっちゅう裏切って話をややこしくしちゃうもんだから、あちらと違って終始2人の中はピリピリ。
(ただ、2人の掛け合いはコメディタッチで何処かユルいw)
しかし、最終的には2人に共闘する理由が明らかになり、この大災害をどうにかするために共通の敵に挑んでいくワケです。
この話の流れは燃える物がありますな。

更に災害に加えて北朝鮮側の兵士やアメリカ軍の兵士が襲ってくるので、正直災害より人災の方が厄介になってます。w
まぁ、その分銃撃アクションや爆破アクションが増える事に繋がったので、ヨシ!w

とまぁそんな感じで、ディザスター要素にバディアクション要素、更にはドンパチも盛り込まれてたりで、純粋に見てて飽きずに楽しめます。
ド派手な災害描写を始めキレのある銃撃戦、火薬の爆発に勢いのあるカーチェイスとアクションもマシマシで楽しめるぞ。

正直出演者はイ・ビョンホンさんとマ・ドンソクさんしか知らなかった(爆)のですが、皆良い演技で好感触でした。
ってか、ハ・ジョンウさん、主演作結構見てたんだな…。
(因みにマ・ドンソクさんはインテリ学者役だったので、特にアクションでは活躍しませんでした。w)


難点としては、コメディ要素が私的にはやや刺さりにくかった。
あっちでは有名な作品かもしれんけどテレビの連ドラとか知らんし、ギャグも何処でどういう風に笑えばいいのか分からんかった…。
しかも、それが話の流れをせき止めて展開されるので、正直「早く進まないかな」と遠い目になった。
もしかしたら日本語吹き替えで(作られればの話だが)見れば評価が変わるかもしれないが…。
(ってか、最後タイムリミットギリギリでクライマックスが展開されるけど、あのギャグ無かったらもっと早く事が進んでアイツも脱出出来たのでは…?)

後、非核化を守る為にアメリカ軍が爆破計画を阻止しようと邪魔してくるのは何と言うか、スゲェもやっとするというか、手の平返しが過ぎると思った。
だってお前ら、他の映画じゃ散々核ミサイルで大災害を解決してきたじゃねーか!!!
な~んだよ!お前ら何時も核でどーにかする癖に国が変わったらダメなんですか!!!
ダメなんですか~!!!
(某ゲーム実況者みたいに)

…まぁ監督がメジャー大作な災害パニックしか知らないだけだろうけど。
(「アルマゲドン」や「ディープインパクト」位は流石に知ってると思うが)
syfyチャンネルのB級ビデオスルーディザスターパニック映画なんか知ってる人なんてそうそう居ないだろうしな…ハハハ…。


そんなこんなで細かい箇所の難点が気になってしまい、心の底から楽しむという事が出来なかったのが残念ですが、ドンパチにディザスターにバディアクションと、ド派手な見どころの連続で劇場で観て良かったです。

頭カラッポで楽しめるタイプの映画には違いないので、興味があれば是非!!!