tacky

運命じゃない人のtackyのレビュー・感想・評価

運命じゃない人(2004年製作の映画)
4.5
やられた。
一夜の出来事を、複数人の視点から描いた脚本に脱帽である。内田監督の尊敬する脚本家がニール・サイモンとは、納得である。

一つの現象が同時に色んな意味を持ち、その場に居ないはずの複数人が、その場に隠れていて、同じ時間を共有する。
まるで、「バック・トゥ・ザ・フューチャー・Part II」を観てるみたいだった。
普通、伏線回収がこんがらがったり、ちゃんと辻褄合わなかったりするのだが、しっかりとまとめ上げていたと思う。

しかし、主役の中村靖日、以外が「普通じゃない人」なんだけど、それを何も知らない主人公に、害を及ぼさないところが素晴らしいし、こんな人がこんな行動という意外性を、コレでもかと観せてくれて、大満足だった。

内田監督の、いつものモテない奴がモテる法則も、この作品からちゃんと今まで引き継がれていて、微笑ましかった。

でも、こういう素晴らしい監督が最近作品に恵まれない日本の映画界って、何なんだ。
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