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運命じゃない人のPoMooNのレビュー・感想・評価

運命じゃない人(2004年製作の映画)
3.5
内田けんじ作品の中でもレビューが良かったのと、これがデビュー作という事を知り視聴。(PFFスカラシップ受賞作品)男の友情コメディが後の『アフタースクール』の原型の様で面白かったー。

お人好しで人が良い、宮田と探偵で裏社会も知ってる神田は中学からの同級生。宮田がお花畑に居るなら、神田は水溜りにいる様な対照的存在だけど、仲良し。

宮田が真紀から電話番号をもらってガッツポーズする箇所は純粋過ぎて笑いが出てしまった。タクシーの運転手が、躊躇している真紀に「電話番号くらい渡しなよ」の台詞と同時にメモとボールペンを渡すシーンは、今とは違う20年前の個人情報に対する警戒心の甘さが現れていて、逆にいい時代だったんだなぁー、とほのぼのしてしまった。

裏社会に全く接点の無い、真っ白な宮田・割と品の良い組長、浅井が黒なら、どちらへも行ったり来たりの探偵神田は中間のグレー。それらが絶妙にすれ違い、思わず笑いを誘う秀逸コメディ。そしてハラハラしながら、成る程と視聴者を唸らせる。
No.1227
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