★1985年、1987年に続き3回目の鑑賞★
リックの店の黒人歌手が歌い、効果的に使われる「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」や、ボギー演じるニヒルなリックのきざなセリフ群が有名な古典的ラブストーリーの名作。
当時42歳だったハンフリー・ボガート(今の感覚だと50歳ぐらいに見えるが)と27歳のイングリット・バーグマンのペアは、当時としては当たり前だったおじさん&若い美女の範疇になるのだが、そのような映画で感じられる違和感がない。
これは間違いなく、バーグマンが醸し出す知性によるものであり、男に対する単純な女としての惚れ方ではなく、自らの考えに基づく精神的な好意からの愛の関係であるからであろう。
ボギーはきざすぎるが(ルーレットでのいかさま指示はやりすぎ。。。)、私の若い頃も含む単純な感性からはカッコいいと思うこと間違いないし、何と言ってもバーグマンの知的な美しさが飛びぬけている。
ストーリーは変哲もないと言えば変哲もないが、当時の世襲も反映したミステリー仕立ての土台に、男同士の友情や信頼関係など様々な要素を組み合わせて、いいとこどりの飽きることのない展開。
まぁ、正直なところ、今では抜けた評点にはならないのだが、高校時代に初めて観た際にバーグマンに一目惚れし、それだけで当時は+0.5くらいは評価が上がったと思われる。
いま改めて観て思うのは、バーグマン以上に好きになった女優はいないし、今後も現れないだろうということ。