このレビューはネタバレを含みます
悲恋ものかと勝手に思っていたけれど、男同士の関係も鍵を握っていて最後までハラハラもするし、面白い!
・場面転換は少ないものの、間に挟まれるモロッコの異国情緒あふれる市場の様子などがなんとも絶妙。希望の一歩手前、『留まるべきではない場所』、夢現の雰囲気がある。
・『君の瞳に乾杯』思ったより何度も言うけれどこれは訳者の手柄。これ以上に短く美しい訳は出てこない。
・思い出のアズ・タイム・ゴーズ・バイ、ラ・マルセイエーズでの団結、やはりこの時代の映画は音楽に彩られ音楽で進んでいくのが楽しい。
・ロレーヌ十字の指輪を見せ暗に「レジスタンスです」と示す。紳士を命ぜられているドイツ兵がモテる、これは両方先週の宝塚で学んだ。
・意外と女々しいハンフリー。情にもろく眉根の下の泣きそうな目の見てくれの通り。パリ時代はもう少し眉間に皺が少なく幸せそう。
・選ぶなら普通にラザロ。正統派にカッコイイ。
・イングリットバーマンの役は秘密がありそうでなかった、悪女に徹する事もできない微妙な立ち位置でイマイチ。それでも美しいのは正義なのでヒロインが様になる。かっちりしたジャケットやハリのあるドレスが映える凛とした立ち姿、少し低めの声が品があって美しい。
・この狸親父…どこかで…と思ったらルノー署長はのちのドライデンだった!生粋の企み顔と偉い人には真っ直ぐ阿る姿勢、ラストの裏切りも含めてどこまでも狸親父で気づいたらこいつの事しか考えていない、愛すべき悪役。