うみぼうず

この世界に残されてのうみぼうずのレビュー・感想・評価

この世界に残されて(2019年製作の映画)
4.0
父親代わりのようになったアルドの心境の変化がちょっとした表情や仕草で表現されていて、とても繊細な演技と演出とで90分集中。
ホロコーストで家族を失った人間同士の心の交流、というあらすじの通りでストーリーの起承転結がそれほどあるわけではないしホロコーストや死の描写はないけど、哀しさが込み上げる。

多くの命が失われた時代、孤独は特別なことでは無いのかもしれないけど、自分の中でどう受け止め咀嚼し乗り越えていくかは人それぞれ。新しい家族やパートナーは必須では無いが、温もりが孤独を和らげられるのかなと。冷静に第三者としてみると共依存的なのかもしれないけど理解はできる。思慕と恋愛の区切りは難しいよね。

ようやく戦争が終わったと思ったら共産党政権の抑圧が始まり、人生を生きる意味はあるのか本当に幸せなのか、ラストシーンに希望はあるのか。
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