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アリ地獄天国のmiのレビュー・感想・評価

アリ地獄天国(2019年製作の映画)
3.0
「家族を想うとき」の実写版にして、あの慟哭のエンドロールの続きが見られてしまう日本版のドキュメンタリー。
数年前ガイアの夜明けで見たときに衝撃を受けて以来気になる話題ではありました。
映画化されたと知り、どこかで必ず観ようと誓ってたやつ。
ただ、内容的には正直当時のガイアのほうが労働問題に対して深く掘り下げられていた気がしており、今作はドキュメンタリーとしては著しくバランスを崩してしまっていると感じた。

そりゃたしかにアリさんのやってることはめちゃくちゃだし、決して許されることではない。それに西村さんが現役社員であることから、直接激ヤバアリさんに取材してしまうと、西村さん本人に更なる危害が加わってしまう危険性があるから、アリさん本人たちを取材できないのもやむを得ない。
だとしたらもう少し別の方法があるのでは?の答えが山ちゃんなのだと思うけど、そこまで私的なことを持ち出し距離感を詰めすぎると、俯瞰で問題が捉えられてるシーンがほとんどなかったような気がする。
他の社員の西村さんへの接し方とか、結局西村さんの家族がその後どうなったかもよくわからないし、例のアリさん社員たちはその後どうなったのかも言及されてない。
そもそも西村さんがなぜここまでするのか。なんで辞めるとか別の方法とらないの?とかを深く突っ込んでほしかった。(答えてるシーンはあったけど、それだけ?って思ってしまいました)
経過を追ってこうなりました!っていうのでいいんでしたっけ?
というモヤモヤが残ってしまう。
まぁあの衝撃的な問題の数々を既に全部知ってしまっているので、何か求めても仕方ない気もするけど。
働き方改革との絡みとか、なんかもう少し深掘りして欲しかった。これだとちょっとミクロに留まりすぎなのかなと。
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