たかり

すばらしき世界のたかりのネタバレレビュー・内容・結末

すばらしき世界(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

役所広司の演技力、凄すぎる。三上という人間の愚直さ、狂気、純粋な心、自然すぎてストレートに刺さった。そして仲野太賀演じる津乃田。作中での人間性の変化による表情や情緒の違い。今回も以前観た泣く子はいねえがでも思わずもらい泣きしてしまった。ゆとりですがなにか、今日から俺はの時とぜんぜん違う。同じ人間とは思えない。一度友人に似てると言われたのが嬉しくて出会い系サイトのプロフィール写真にしてたのは間違いじゃなかった。1ヶ月もせずにやめたが。
就職が決まった祝いの会で拍手する場面、何故か俺も拍手しそうになった。
後半からは、何発も心配にさせられるジャブを打たれてずっと落ち着かなかった。それほどまでに三上という人間が良い人間のままであってほしいと思えたから。故に最後のボディーはめちゃくちゃ喰らった。
疑うことの愚かさ。かといって信じるのもこわい。損得勘定で生きるのではなく咄嗟の判断で、あたりまえに、迷いなく選択して生きたい。
三上とスーパーの店長のように出会いは最悪でも挽回はできるし、最高の出会いでも衝突することもある。決別することだってある。逃げることをやめれば
はるおの漢字は正夫だった。
最後のタイトルバック。
正しく生きた彼の曇りない広く晴れた空
津乃田も見上げただろうか。

すばらしき世界。素晴らしい映画でした。役者ってすごい。
たかり

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