さえ

すばらしき世界のさえのネタバレレビュー・内容・結末

すばらしき世界(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

役所広司さん演じる三上さんの眼に魅了された。
過去の経験から人を殴り興奮する眼。養護施設で少年のように楽しんでいる眼。だんだん更生され今の世界に溶け込むでいく眼。
過去の自分に戻ってしまうのか、今の世界で生きていくのか。二項対立のように感じる。

どんな過去、経歴を持っていようが、何か懐かしい子供の頃に戻るような、初心に帰るものは持っているということに感動した。

時には乱暴である三上さんだが、今の時代を生きる人から見て、一直線で真っ直ぐな三上さんに惹かれていく。どんどん三上さんの周りに輪ができていく。暖かかった。
でも、三上さんも今の時代に慣れていく。何か寂しいような気がした。前の三上さんなら、殴ろうとしてしまいそうな時も抑えられるようになっていく。理性という言葉に当てはめてしまっていいのだろうか。

正直、何故こう感じてこう思ったという事を言葉に書き起こせないなと感じた。私も同じ場面で三上さんと泣いてしまったけれど、分かるけれど、なんて言えばいいんだろうな。
でも、こういうような経験はよくある。
今までいた友達と一緒に過ごせなくなった時、自分で決めた決断なのに、なんで涙が出てきちゃうんだろう。やはり心のどこかで、人との輪が消えないのだなと思う。

最後に、この映画のタイトルの素晴らしき世界の素晴らしきは四季と重ね合わせているのかなと思った。最初の入りが雪の情景だったので。
まあ、これは一つの意見です。
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