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すばらしき世界のinukoのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.0
社会問題をこれでもかと言うほど散りばめた作品だった。
主人公がまず、前科者というマイノリティで、出所後は持病のため定職に就けず生活保護を受け、児童虐待、差別、更生について問題を抱え、ご近所さんに外国人労働者、旧友は食い詰めた極道、そこで逢う、おそらく震災が元で息子と離れて娼婦をしている女性。などなど。
救いなのは、主人公が社会的に孤立していないこと。ヤクザの旧友の妻が「カタギはつまらないけど、空が広いって聞きますよ」と悟すシーンが印象的。彼は、広い空が見られたのか。
タイトルが出るタイミングに打ちのめされる。
なんか、「わたしはダニエル・ブレイク」を思い出した。
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