MaShiro

すばらしき世界のMaShiroのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.3
「ヤクザと家族」とちょっと切り口はちがうけれど、やくざや犯罪者も一人一人の人生をみていけば、そうならざるを得ない理由がある。
育ってきた家庭環境やもってる気質だったり、あるいは差別されるような境遇で行き場がなかったからと裏社会にしか居場所を見つけられなかったひとも多いでしょう。

でもひとは「もとやくざで人殺し」ときけばほぼ全員モンスターのように見て、怖くて近づきたくないし、突然自分にも向かってくるんじゃないかと思い、かかわらないようにするでしょう。

三上のまっすぐ過ぎて間違ったことに我慢できない性格が災いのもとになったが幸せなことにその人柄ゆえ支援してくれるひとがいたのはよかった。
三上は小さい頃に母親に捨てられたが憎むことなく、おとなになってもずっと母親をもとめて探している役所公司の演技が切なすぎてダーダーと涙がこぼれた。
せめて死ぬまでに母親に会わせてあげてほしかった。
いまから脚本を変えてくださいー!
犯罪者には犯罪者のホームレスにはホームレスの抗えない人生があってそうなる道しかなかったのだから、同じ人間として尊厳をもたないといけないと考えさせられた。
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