暴力を振るった後の役所広司の笑顔にカタルシスすら感じた。
「すばらしき世界」というタイトルは皮肉だろうし、怒り、後悔、虚しさ、複雑な感情が込められていると思うけど、もう半分は本気なんだろうな。
少なくとも三上という人間にとってはそうだったと思いたい。
だけどこっちは皮肉の側。
自分が脅かされる可能性があるなら、気づかないフリができてしまうし、傷つけるかもしれないし、逃げてしまうかもしれない。
あっちは異常、こっちは正常。
それでおしまい。
なんて残酷なんだ。
そんな残酷さが、”正常”でいるために求められることがある。
この”すばらしき世界”では。
他人を理解する、受け入れる為には努力がいる。
相手が社会の中で”異常”に割り振られる人物なら尚更。
せめて、少しでも努力はしたい。
実際は何も報われない事もあるだろうけど、それすらしなくなったら、もう半分の本気は無くなってしまう。
それは嫌だな。