irisapied

すばらしき世界のirisapiedのネタバレレビュー・内容・結末

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

三上が亡くなる前の、花を嗅ぐシーンが美しすぎて、涙が止まらなかった。大好きな、美しいシーン。
堅気でない方に対して、私もわかる気持ちが多くてもどかしくて堪らなくて、でも、三上はまっすぐで、申し訳ない気持ちにもなる。少しでも、偏見が減ってほしい。
彼は真っ直ぐすぎて、こんな世の中は生きづらかっただろうな。でも、周りの人の暖かさがじんわり心に広がっていって、心があたたかく感じた。

追記
タイトルの「素晴らしき世界」は、体が不自由だったり、障害者と言われる人だったり、やくざと言われる反社会的勢力だったり、社会的にマイノリティの人がどんな環境に身を置いてもただ変わらず、周りの人の温かい応援や、花の香りとか、空の青さなど、「素晴らしき世界」はそこに在るという事を示しているのだと思った。
そして、三上が花を嗅いだ後、息を引き取る時にそう感じたのだと思いたい。
三上がしてきたことは、犯罪であり、罪を償わなくてはいけない。しかし、それが彼にとって罪だとは感じていないことや、そんな環境に身を置いて数十年間の生涯を過ごして生きてきた人が存在した。
映画だけの話ではない事が、少し怖く感じる。
お互いを認め合えたら、この世はどんなに生きやすくなる人が増えるのかと強く思った。
irisapied

irisapied