真っ直ぐで正義感が強いが、それが暴力に現れてしまう主人公。
周りに迎合して波風立てずに生きていくことが求められる現代社会で、真っ直ぐ過ぎるが故に受け入れられず葛藤する。
最後には自分を押し殺して社会に溶け込もうとするも、、、
どの作品を観ても、惹き込まれてしまう役所広司の演技。本当に素晴らしい。
自分が過度に周りや社会に迎合していないか自省する機会になった。
暴力に頼る事は絶対にダメではあるが、見て見ぬふりをするのも違う。
自分ならどうするだろうか。
映画の中では、身勝手な振る舞いをしても、見捨てずにいてくれる人たちがいたから、主人公も立ち直れたが、法務省によると2021年の再犯者率は49.1%とのこと。
つまり、犯罪を犯し捕まった人の2人に1人は再度罪を犯している。
現実は助けてくれる人もおらず、再度犯罪に手染めざる得ないことになるのだろう。
一度罪を犯した人がどのように生活を成り立たせているのか、疑問に思ったこともなかったが、それを考えるきっかけになったことも含めて、この映画を見てよかった。