「すばらしき世界」とは。
ネタバレあり。
他の作品でも、犯罪者の再生を扱ったものはいろいろありますが、その度に明確な正解がなく、難しいなと思います。確かに、この作品にでてくるような人達のように、暖かく親身になることは理想だと思うけど、殺人を犯し、激昂し激しく暴力を振るう場面を目の当たりにして、その人と普通に親しく付き合っていけるだろうか。私はやっぱり怖い。ただ、役所さん演じる三上は、根は優しく、変わろうと頑張る。そんな姿をみると、すごく応援したいし、やり直せる社会であって欲しい。自分でも矛盾してることを言っているなとは思っていて、考え込んでしまいます。
三上を演じる役所さんの演技は、文句なく素晴らしい。脇を固めるスーパー店長役の六角精児さん、ドキュメンタリーディレクター役の仲野太賀さんもすごく良かったです。
シャバは、我慢の連続やけど、空は広いらしいで。グッとくるセリフでした。
生きづらかっただろう世界を憎むことなく生を全うした三上の最期は悲しくも希望とそこにはあたたかい世界があったと思います。三上の死に５人もの人が心から涙したから。最後は、涙が止まりませんでした。いろいろ考えさせられるよい作品でした。
