人生のほとんどを刑務所で過ごし、出所となった三上。
一般世間に馴染もうとしたが、ヤクザ人生が長かった三上にとって馴染む事が難しかった。
人生のほとんどがヤクザで刑務所の中。
人の愛情をたくさん受けて育たず成長し、犯罪を犯しては刑務所、出所してもまた同じ世界に戻ってしまう。
三上という人物を通して社会とは人間とはを見つめ直す作品だった。
すぐカッとなる三上に対してスーパーの店長など、真っ直ぐに見つめ意見してくれる人もいる。
しかしまともな常識の中で生きてこなかった人間にとって理解ができなかった。
喧嘩をしている時の三上はイキイキしていた。
血だらけの口を開け笑顔を放つ姿は怖かった。
そんな三上が周りから支えられながらも変わっていく。
狂気な面、純粋で優しい男を演じる役所広司の演技が素晴らしすぎて。
他の実力派の俳優陣も素晴らしかった。
ラストはとても切ないが、私には三上の表情が幸せそうに見えた。
西川美和監督作品