ソウ

すばらしき世界のソウのネタバレレビュー・内容・結末

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

西川美和監督という名前が気になって仕方がない。是枝裕和、ポン・ジュノ作品で描かれるような過酷な世界を見せられた。エスカレーター式で大きな挫折も味わないで生きてきた自分には想像もできないような世界。

ここからは自分の話。
近くに住む人間で集められた小中と違って高校からは自分で進む道を選択できるわけで(殆ど環境に左右されるものであるが)それ以降自分の周りには大学に進学して就職するという考えが当たり前の人ばかりだった。
久しぶりに地元の人(小中で同じだった人)の話を聞いてみると、職に就いている人、既に退職してフリーターになっている人、子供がいる人、結婚している人、離婚している人。
頭の片隅にも無かったような選択をしている人が沢山いた。
世界の中には確実に境界線の様なものがあって、自動的に自分と近い人と関わるようになっていることを思い知らされた。

役所広司の演技に圧倒される。そしてそこに並んでも全く違和感がない仲野太賀の凄み。本当に大好きな俳優になった。

社会の中では生きられないものたちへの受け皿という意味でも存在していたヤグザという組織ももうこんな状況であって。
だって主人公はネグレクトにあっていて、ちゃんとした勉強も受けられなかった人間であって、その生い立ちになってしまったことに彼の非は無いわけじゃん。そこへの受け皿、保証が整備されていないのに。真っ当に社会の中で生きていきましょうって言うのは簡単だけど本当に綺麗事でしかないという。
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