すばらしき世界のKentaroのレビュー・感想・評価

目に入るすべてを守ろうとしてきた三上は、自分を支えてくれる大事な人達を守るために、葛藤の末、安部くんをそうでないものとして切り捨てた。三上は、社会に生きるために自分を殺した。言い換えれば社会が三上を殺した。

大事なものを守るためには、そうでないものを要領よく切り捨てることを要求するドライな社会。三上が三上のままで生きることを許さない社会。

ただ、そんな三上を本当に大事だと思ってくれる人たちがいるのもまたこの社会。そして三上が自分の信念を曲げてでも守りたいと思えた人たちができたのもこの社会。