評判に違わずとても良かった。一度レールから外れてしまった人には生きにくい世の中だけれど、本人が更生したいときには手を差し伸べられる仕組みが必要だとあらためて思う。大人になる機会を逃してしまった、半分まだ少年のような真っ直ぐな主人公を役所広司が好演。
わたし自身はたぶんありきたりの感想しか持てなくて不甲斐ないのだけれど、友だちが「なぜ三上が死んじゃったかわかる？」と訊いてきて、その友だち曰く、介護施設で職員が障害のある同僚を笑い者にして茶化してモノマネをした時に、「似てますね」と言ってしまった、そのことがストレスになって引き金になったんだと思うと。鋭い視点だと思った。それを言ってしまったあとにコスモスをもらって尚更に感じた罪悪感も重くのしかかったんじゃないかなと。
「似てますね」と言ったとき、三上の心が一度死んでしまったんじゃないかと言っていました。
