ツキナシヤバ子

すばらしき世界のツキナシヤバ子のネタバレレビュー・内容・結末

すばらしき世界(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます


全ては見て思った通りのことばかりじゃない
世界は本当は素晴らしいことで溢れているのに人間は己の価値観や記憶そして常識によって歪められたフィルターでしか物事を捉えることができない。
そしてそれはだいたいが経験によって積み上げられた危機回避を最優先としたネガティブなもの。
スーパーでの万引き事件がいい例であり、一見最悪な出来事として捉えられるけれど、怒りではなく許しで対応すれば、憎かった相手が友人にもなれる。
それは自分を偽れとか、妥協しろとか、逃げるとかじゃない。
知らないものや未知のものへの恐れから来る態度への許しは最も賢い正義だと思う。

母親との関係が消化不良な気もするし、暴力が正義の道具になってしまったのは母親に訴える衝動みたいなものが発散されないまま大人になったからなの?
最後突然死んでしまったことに対して、明るい未来に向かって一歩踏み出したことは神にとっては無意味だったのかとか、もうこんな残酷な世界で生きなくていいという救いなのかいろいろ意味を与えたくなってしまうけど
結局は何やってたって死ぬし、死に理由なんてないか
ツキナシヤバ子

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