ゴレンという名の男は、「第48層」で目覚めた。真ん中にぽっかりと穴の空いたその部屋は上下に際限なく続いており、その一層ごとに人間が二人収容されていた。そして、上の層から順番に大量の食事が降りてくる。一定時間が経つと下へ下へと降りていくので、上の層は満足いくまで食べられ下の層は残飯しか残されない。この部屋・この空間は一体何なのだろうか…な話
スペインのめちゃめちゃ変なシチュエーションのスリラー。上の者から順にご飯にありつけて、下の者は飢えに苦しむ。上の者は下の者の悲痛な訴えに耳を貸さず、自分が満足いくまで食いまくる。まさに貧富の差を描いた資本主義社会の縮図のような施設！
非常〜にメッセージ性が強い内容で最終的にかなり何なんだっていう終わり方ではあるものの、不思議な空間で繰り広げられる阿鼻叫喚の惨劇はなかなかおもろでしたね。善意が踏みにじられて正義漢も全てを諦めたり、人間の嫌〜な部分が浮き彫りになってみんな狂っていったり、そもそも誰が食べ残して何が混ざってるかも分からない残飯を食うという状況もウエ〜って感じで良いです
ただ寓話性やメッセージ性に振り切るあまり、この施設の無茶苦茶な設備に対する構造の説明が一切言及されないので、映画レビューで一番書いちゃいけない言葉（かつ、私が使うと死ぬ呪いにかかっている言葉）である「ツッコミ所満載〜ww笑」て書かれてしまうリスクはありますね。そういう説明不足な点は「そういうもん」として楽しむとかなり見応えのある作品だと思います。敬具
