目が覚めると真ん中に穴が空いた部屋で知らない男と２人きり。
その穴から毎日食事を乗せたテーブルが降りてくる。
この食事は上の階の人たちの食べ残しであり、また自分たちより下の層の人たちも自分の食べ残しを食べて生きていくしかない。
下の層になればなるほど食事の食べ残し感がすごくもはや食べ物とも言いづらい汚さになっている。さらに下の層には食べ物が届かない。食べ切った皿だけが送られてくる。
きちんと自分の分だけを食べれば最後まで食べ物が残る計算だというが、いつ自分がさらに下の層に移されるかわからない中で、そんな思いやりの心を全員が持てるわけなんてない。
自分たちだって、日本に生きていて、毎回貧しい地域の人たちを思い浮かべることなんてできない。居酒屋に行けば無闇に飲みまくるし、お腹が空いていればコンビニで必要以上に食べ物を買っちゃったりする。人間とはそんなものだ。
2022.39本目
