このレビューはネタバレを含みます
序盤から終盤まで飽きさせることなく進む物語だった。最後まで緊張感もあってかなり楽しんで見れる。
この映画が普通のSFサスペンスとかだったら、この牢獄みたいな空間は何だとか最後のオチがどうとか文句を言いたくなったかも。
ただ序盤のセリフなどから、これは例えばカフカの変身みたいな物語なのかなぁと想像しながら見てたから特に文句もなく面白く見れた。
カフカの変身は最後まで毒虫に変わった理由はわからないけど、そこが大事ではない物語としての例。
あくまでこの映画ではストーリーは脇役で、ストーリーを通した哲学的な思想が主役の映画なのかな。
この映画の世界観も割と好きだったし、牢獄のルールがシンプルストイックなのもよかった。ルールがシンプルなだけに人間の行動や心理が際立って見えた。
うまく言語化できるわけではないけど、社会の不条理さをシンプルな構造で体感できるいい映画だったと思う。