ちぐ

プラットフォームのちぐのネタバレレビュー・内容・結末

プラットフォーム(2019年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

設定がおもしろい!

「もしも世界が100人の村だったら」という本のダークバージョンのような、私たちの世界の縮図のような作品。

上層階へ行けば行くほど、「食」という生命維持活動以外の事もやる余裕があり、下層階へ行けば行くほど、「食」すらもままならなくなり、正常な精神を保てなくなっていく。

皆、上層階の人間には何も期待していないし、自分がどの階にいようが下層階の人間のことは見下し、意地悪をする。

状況を改善するためにと立ち上がった人間が他の人間にも協力を仰ぐ方法は、言葉?暴力?
一見手荒い方法にも思えることでも、「そうせざるを得なかった状況」がある事もあるのかも知れない。(賛成はしないけど)

状況の改善に必要なこと、この作品では最初「1日食を断つ」だったが、それすら死活問題の人間もいる。
現実世界では、改善するための「資金」「健康」「安全」などがそもそもない人間が沢山いる。

ラストの「希望」は、
「自分たちの世代には上記の理由で改善する力がないので、「希望」に託す」
「自分たちで改善する事に疲れたので「希望」に丸投げする」
どちらにも受け取れるような演出であり、「希望」が上層階へ上がっていくシーンでは、「結局、世界を変えていく力と余裕があるのは裕福な層なのである」という皮肉にすら感じてしまう。
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