「格差社会」や「貧富の格差」など、社会問題をシチュエーションスリラーとして描いた本作。
各階に2人の人がいて、1日1回食べ物が載ったテーブルが上階から降りてくる。
上階の者は、十分な食べ物があり精神にも余裕があるが、下階に行くにつれて食べ物が残っていないため、空腹が精神を病み悲惨な状態となっている。
映画の題名である『プラットフォーム』は、このテーブルの名前。
「プラットフォーム」とは「平らな土台」が転じて「基盤となる環境」を指す意味の言葉であり、さながら人は生まれた環境によって既に格差が決まっており、富める者はより豊かに、貧しい者はより貧しくなることが暗示されているかのよう。
貧困が犯罪を生むと言われるように、下層の階では殺し合いや奪い合いが横行している。
「足るを知る」ことの重要性と難しさも描かれており、まるで人間の下劣さと社会の縮図のような内容に、ただただ暗くなる映画である。
題材は『世にも奇妙な物語』にありそうで面白いが、ところどころ詰めが甘いと思えるようなシーンもあり、もう少し頑張って欲しかった。
非常にユニークな映画だが、設定の面白さ以外はあまり優れて面白いと感じる部分に乏しかったので、個人的に高評価ではない。
スプラッター映画のようなグロいシーンもあるので、苦手な人はある程度の覚悟が必要かと思う。