たむ

デニス・ホッパー/狂気の旅路のたむのレビュー・感想・評価

2.8
俳優であり、映画監督であり、写真家でもあるアーティスト、デニス・ホッパーさんの側近のインタビューを中心にしたドキュメンタリー映画です。

デニス・ホッパーさんを初めて観たのは『スーパーマリオ』のクッパだったか、『スピード』の悪役だったかだと思います。
映画というものの面白さに気づき始めた私のトラウマ的な悪役像。
しかもこれだけのインパクトを残した2作品も、遡って『ブルーベルベット』や『悪魔のいけにえ2』『地獄の黙示録』などでトラウマを更新。
さらに『イージーライダー』と『ラストムービー』で監督としての鬼才ぶりに戦慄した才能。
キャリアを逆流していきながらデニス・ホッパーさんの凄さを体感してきたため、より深く掘り下げたドキュメンタリーを期待しました。

しかし、ドキュメンタリーとして才能ある人だというのは分かるのですが、それ以上のことがない作品でした。
依存症エピソードや俳優としてのキャリア、『ラストムービー』の壮絶な挫折を側近の視点からなぞっている印象で、そこもっと聞きたい、というところに手が届いていない。
『ラストムービー』のメイキングか、強烈な悪役俳優としての顔しか知らない人が観て驚く、ぐらいの作品に収まってしまったのが残念ですね。
たむ

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