Nao

グライド・イン・ブルーのNaoのレビュー・感想・評価

グライド・イン・ブルー(1973年製作の映画)
4.3
アリゾナの砂漠地帯で白バイ警官を務めるジョンは刑事に憧れていた。
ある日、自殺に見せ掛けた殺人事件が起こる。
捜査に乗り出し、ハーヴ刑事に引き抜かれ、希望通り刑事になるが、アメリカの絶望的な現実が待っていた。
アメリカン・ニューシネマの隠れた傑作。
監督はロックバンド「シカゴ」のプロデューサーであるジェームズ・ウィリアム・ガルシオ。

個人的にはとても面白かった。
白バイ警官の孤独と挫折と嘆き。
思うように生きられず、ただ自分の野望と精神力に身を任せ、ひたむきに任務を全うするジョンはアメリカの裏社会に完全に飲み込まれているようだった。
この作品に限ったことでは無いが、アメリカの作品には復讐とか衝動的とかそんなようなことで簡単に人の命を落としてしまうものが多すぎる。
真心を貫いて、もがいてもがいて結局あのラスト。
こちらも「イージー・ライダー」を彷彿とさせた。
根底にある正義感が「これが現実」と言わんばかりのアメリカ社会に負けた瞬間だったのか…
ジャケットは4人が佇んでいる物の方が格好良い。
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