プリウス

ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像のプリウスのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

個人的に最近🇫🇮フィンランドに関心が高まってるので、なんとなくプライムで出てきたものを視聴。

プロットは割とシンプル。
・美術商の仕事に全てを捧げ、家族(娘・孫)との関係を築けずに人生の夕暮れを迎えつつある主人公。商売人生の集大成として最後にひと燃え上がりアツい取引(One Last Deal)をしたいと燃える。
・やややんちゃなところはあるが、正しい心を持っており頼りになる孫。
・ひょんなことから二人は協働を通して心の交流を深める。
・最後の取引を取り巻く様々な人間模様と最高のクソ野郎たち。
・孫の力も借りつつ取引の核心をめぐる真実に近づく主人公、その過程で家族との関係の大切さにも気づき修復を図ろうとするも。
・全てのピースが出揃い、心なしか動きに張りのある主人公。ぶつかった椅子の回転が止まるとともに倒れる音。


主人公の俳優の顔芸と全身から滲み出すオーラが素晴らしい。ほんと熱演。
淡々とした映像ながらもテンポの良い進行はもう終わっても大丈夫そうだけど…そうきたか、と次から次に展開を見せるので見入ってしまう。
また、オークションのシーンはもちろん客との駆け引き、娘との会話等々静的な絵の連続であり派手な演出もないものの手に汗を握らされるのは見事だなあと感じた。
そして、ラストの回転椅子の絵をはじめ、所々で絵になる、そして登場人物より饒舌なショットが決まっており好きだった。
幕引きの潔さもすごく好きだったなぁ。
プリウス

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