Linda

ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像のLindaのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

公開日: 2020年2月28日 (日本)
監督: クラウス・ハロ
音楽: マッティ・バイ

フィンランド発のドラマ映画(2018年)。
とある老美術商が、画廊で作者不明の絵が目にとまりロシアのイリヤ・レーピン作ではないかと疑う。そこに疎遠になっていた一人娘の子供オットーが職場体験にやってくる。なんでも問題児らしい。

他の美術商仲間には諦めろと言われるが、主人公はオットーの商売上手な姿をみて2人で証拠探しを始める。
競売当日、1万ユーロで購入。すでにその時には証拠を掴んでいた。

困ったのは支払い金額集め。
友人からは2000しか借りれず、妻の遺品を売ってもあと3600足りない。一人娘に借りようとするが、家計も厳しいのにそんな事を言うのかと言われる。そこでオットーが貯金している箱を見つけ、「貯金するものは金持ちにならない。金持ちになるのは投資家だけ。」とオットーに一言。オットーから4000借りる事が出来、無事に購入する事が出来た。購入時に、画廊の社長がレーピン作の絵であった事を知る。

早速レーピンの絵を求めていた客へ見せたいと連絡し、準備をする。…続きはもっとあるが疲れたのでこれまで。


•全く関わりのない美術商を覗ける
•常に雨が降っているようなだるーい感じのBGM好き(ヨーロッパ圏映画あるあるだと思ってる)
•冷静にオットー商売上手すぎ、この先有望すぎ
•購入後、キリストの買い取り手がやってくる時の準備クラシックが怖いくらい陽気すぎる
•投資家?の家から帰るエレベーターのシーン、切なすぎ。高所得者の世界から自分の住む下の世界へ戻る感じが絶妙。
•美術館からの著名なしの考察回答が納得のいく内容すぎて、この絵(キリスト)に縋る気持ちすら芽生える。でも主人公は、荒く壁から外すものの、下に置くだけ。
•「数年たてば、熱りもさめる」「数年まてない」→画廊「買取ます」の流れが絶妙で、この先寿命があるないがはっきり分かって、ますます画廊への怒りが湧く
•絵と主人公の写真が割かれた時、フラグが立った感があった。絵が映った方は客が持っていき、主人公が映った方は遺影となった。売れずに常に一緒ではあるが、お金にならない、つまりないも同然で2度と一緒になる事はない、その感じが合わさってるようにも感じた


レーピンなのか、そうじゃないのか?お金は払えるのか、売れるのか?終始ドキドキする。
ちなみにあの「キリスト」の絵はレーピンのタッチを真似して作った物とどこかのブログで見かけました。確かに探しても見つからないのでそうかもしれないですね。
Linda

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