もうひとつのノマドランド。
というかむしろこっちが本物。
主人公といっしょにモンゴルを旅して、大自然に触れ、ノマドと交流し、カルチャーショックを味わう。
ノマドの人たちは、なぜこんな生活を続けるんだろう?
いや、きっと、ノマドの人たちから見たら、私たちの生活の方が不便で不自然で窮屈そうに見えるに違いない。
いかにもドラマ的な設定はともかく、道中の様子はごく自然なドキュメンタリータッチで、ゆる〜いロードムービー、
かと思いきや…
顔面のクロースアップ、スローモーションや早送り、大自然と対比的な人工的・技巧的なカットなど、どこか奇妙な印象を受ける映画でもある。
大自然の中、精神的にも物理的にも無防備となった主人公が、ワイルドなむきだしの「死」と「生」に直面するシークエンス…からのきれいにまとまるエンディングは、やや出来すぎな気も。
そもそもこの人、旅に出る前から人生楽しそうだったし。
その辺りの内面の変化が見えづらい。
旅の目的を忘れてしまうくらい道中がゆる〜いので、食後に見たらちょっと眠くなるかもしれない…
けど、外出もままならない今日この頃、映画の力を借りて異国の地を旅した気分になる。
ターコイズの空が、綺麗だった。