マーくんパパ

衝動殺人 息子よのマーくんパパのレビュー・感想・評価

衝動殺人 息子よ(1979年製作の映画)
3.9
公開当時から社会問題化していた無差別殺傷事件を題材に、被害者家族の立法救済に心血注ぐ夫婦の物語。S 41年京浜工業地帯の零細鉄工場夫婦の26才1人息子が行きずりの見知らぬ男に刺されて殺される。相手は19才の未成年者、裁判では5年から10年の実刑で結審、何の罪もない被害者と家族の喪失感悲しみに寄り添わない法律はおかしいと息子の仇討ちを国に求める決心をする。被害者の会結成と遺族の救済にそれから10年全国を奔走しながら法律制定を訴え続ける老夫婦の姿を追う。同じ悲しみを持つ遺族役に吉永小百合、藤田まこと、田村高廣、中村玉緒、支援する大学教授に加藤剛と豪華な共演陣。形見の金魚、全国の風物が時の流れを写し出す。昭和55年にやっと法律制定(その後改正された「犯罪被害者支援法」)されたがその前年に奔走した父は亡くなってしまう…。秋葉原殺傷、オウムサリンetcとこの手の被害者は増える一方の歪んだ世の中、未だに進展しない拉致家族の問題、横田さん夫婦の訴えと二重写しで観ていた。