トランスマスター

『ワナジャ』のトランスマスターのレビュー・感想・評価

『ワナジャ』(2006年製作の映画)
4.0
#97 責任をとれ!サイード似のドラ息子。

今日の私のランチはチキンカレーとナンのテイクアウト。
ヒンドゥーの神々のポスターやインドの民謡が流れてもカレーへの禁断症状が出ない万全の体制で視聴。

インドの田舎の低カーストの漁師の15歳くらいの娘が主人公。
町の踊り子の舞に惹かれダンサーになるべく地元の資産家の家に丁稚奉公をしながら踊りを習っていたが米国帰りのドラ息子が凱旋帰国してからは事件が勃発。汚い環境の中でも咲き誇る睡蓮のようにダンスへの情熱を貫くストーリーです。

◆良い点/注目ポイント
・ロシア古典文学にでてくるようなワナジャの酒浸りのお父さんが可哀想でした。
・ワナジャの細くて長いダ○シムのような手足がダンスをダイナミックにしています。現地の言語のボイスパーカッションも笑えます。
・ラストのドゥルガー(アシュ○マンのように腕がたくさんある虎やライオンに乗っているシヴァ神の奥さん)と悪神マヒシャースラ(髭面の水牛にのった邪神)の2柱の神々のバトルを表現したダンスは圧巻!
弓矢→剣→槌鉾(メイス)→三叉(トライデント)を持ち替えて戦う女神の姿が想像できます。インドの伝統舞踊恐るべし。このシーンだけでも必見です!

◆改善点
・美人で才能があって若くてもプリティウーマンにはなれないカーストの闇を見ました。
・この映画の紹介文は全く意味不明です。

◆総括
・この映画はコロンビア大学の修士課程の卒業作品で出演者が全員素人というところが凄いクオリティ!
宗教で性欲を抑圧するとカソリック神父の少年へのセクハラやムスリムの異教徒へのレイプや今作のようにクシャトリアからスードラへのセクハラなど問題行動の要因になってしまうと感じました。

-2020年 97本目-