takeratta

弥生、三月-君を愛した30年-のtakerattaのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

遊川監督繋がりで鑑賞。作品 : 2020年公開

3.11東日本大震災の再現シーン有り。
お辛い方はお避け頂くかして下さい。

純粋な真っ直ぐな裏切らない想いと
人の命の儚さを描き、
大人なりの幸せって、そこにも正解など無く、
若き青春時代と変わらず、大人になったかつての子供たちは、純粋な気持ちに封印をし、
仮面を被って、体裁や世間体を気にして、一生を終える。
安らかに眠る者も居れば不慮の事故やトラブルに遭う者、震災で命と引き換えに子どもを救う人も居るだろう。

命や個性の扱いが、情報過多な現代で、
三月(旧暦 弥生)の震災以降、

弥生という名の親友探しをする。

それは、仮に見つかっても、青春時代に戻る事はない、時間の流れという一回帰性のベクトルに、現在から未来へ押し流されてしまう。

ただ、有るとしたら、永遠なんてないんだけど、
心の底から、愛する人の手を仮に繋ぐことが出来たのなら、

やり直しが出来る社会であって欲しいし
捨て子は育ての親に巡り合ってほしいし
親と永遠の別れになった子どもは
自分世代こそ、良い伴侶に出会い、親の分も幸せに暮らして欲しい。

本音と建前の狭間で、無様な程に愚直に、己の本心に素直に、バカになれるか?
そんな人間力を問われるような、3月最終日。

とてもモヤモヤした気持ちの中で生きる者としては、少し晴れやかに、斜め上の空をたまには眺めようかと思えた作品でした。

ラストシーン : JR大森駅 大森ベルポート のアトリウムでした。
ドラマ映画のロケでは、何故か、自分が昔居た職場のビル使われる。笑

私もその職場を離れ独立したものの、仕事のてにをはを教わった最初の就職先であった事もあり、
同期入社の精鋭26名、
半数の13名は、既に寿退社でママさんに。

小さな本社機能の大会社もあって、本体に残った、サラリーマンのゼロorサムの出世ゲームに勝ち残ったのは、26分の1だった。

それぞれに皆野心家だったし、ただ、自分らの先輩らが紡いできたブレない100年の伝統と信頼を、更に100年後も変わらず維持進化させる思いは、組織を離れても変わらない。
正に私にとっての青春時代だったのかも知れない。

良い振り返りと気付きを頂けた作品でした。るるす
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