140字プロレス鶴見辰吾ジラ

劇場版そらのおとしもの 時計じかけの哀女神(エンジェロイド)の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

3.0
【天使がほしい、僕だけの】

大学時代に友人の付き合いで見に行った映画。TVシリーズの「そらのおとしもの」は視聴していて、イカロスというエロい格好したヒロインのヴィジュアルが凄まじく私を貫いていた。

天使が空から~という欲望性にありながら、その存在は天界人の兵器利用や娯楽のために~のような真面目に語ればそれなりの熱量を持てる作品のように思えるが、TVシリーズから主人公のエロエロな欲望に対してそのハイテクロノジーが無駄遣いされる様に非日常だが日常の延長戦にあるような安心感を覚えていた。傑作になれないのはその性なのだが…

劇場版として前半は総集編でこのビジネスモデルに飽き飽きしたのだが、後半は風音というオリジナルキャラを交えての活劇へ。ある種当時の劇場版商法として閉じたエネルギーしか感じられなかったが、何度でも言いたいのは私にも天使が欲しいということだ。たとえ兵器だろうが何だろうが、私をその羽で優しく包んでくれるそんな天使が欲しいのだ。イカロスに膝枕してほしいという不健全な欲望がまだ潰えないのは、私の社会不適合性とも相まって切ないのだよ。この果てしない青空を仰いでそう思う。