どーもキューブ

カサノバのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

カサノバ(1976年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

フェリー二が描くカサノバ


 2012年3月14日 17時08分

 

1976年、アカデミー衣装デザイン賞受賞。

原案「カサノバ回想録」。撮影ジョゼッペロトウンノ。音楽ニノロータ。
原案、美術、脚本、監督フェデリコフェリーニ。

本作高校の頃テレビ鑑賞で挫折。

今は亡き
「金曜ロードショー」解説者で映画評論家で

「シベ超」シリーズ監督

「水野晴郎の四つ星シネマ」
本映画は、深夜にやってまして水野さんが買い付けた、かなりマニアックな映画ばかり地方局に流す映画プログラム。

私の記憶だと
「ゴダールの映画史」
「魚が来た日」
「緑の髪の少年」
「アメリカングラフティ」等等

相当マニアックなチョイスで大好きな番組でした。見始めすぐについていけず。(今回見てわかったんですが、ラストシーンでした。)

ようやくフェリーニの後期作品についていけるようになり、このフェデリコフェリーニの製作スタンスに毎回驚いているばかり。

ソニーVHSカセットにて鑑賞です。



想像のみを具現化し、

舞台に、衣装に、小道具に全てを飾り立て

フェリーニのイマジネーション爆発にいちいち驚愕。

瞬間瞬間、五秒くらいのカットに凄い舞台と衣装と扮装を魅せます、写します。

贅沢できらびやかなイマジネーションをカットカット、毎秒毎秒瞬間的に魅せてくれます。

「サテリコン」では宮廷、女性の美しさ、残酷さ、王様、家来の身分さ、、、。

「女の都」では、「女性」の思想的、偶像的、性癖的、性差的、思索的、陶酔的に表現をあらゆる角度から見るフェリー二の女性論エッセイ

本当に贅沢です。お金の使い方が個人的な「イマジネーション」だけで作りあげているところが凄いです。

勢いあるフェデリコフェリーニにまだ出会いたいがために、ソニービデオで鑑賞となりました。

イヤー中盤まで、フェリーニが描いた伝記物だから、わりと単調かな?と思いながら、

次第に、どんどん、ドンドン

カサノバと女性との土派手な「絡み」に向けてのエピソードがくりひろげられます。

イヤーフェリーニは、完全

「性欲」
「女性を愛する気持ち」
「セックス」
「女性の美しさ醜さ」

全部

造形美にぶち込んでいる気がしますね。

女体への羨望

巨大への憧れ

セックスへの精力

後期の根底イメージは、実は一貫した上記イメージで作り上げております。 

カサノバを演じるのは、ドナルドサザーランド。
実在した博学な美貌を持つイケメンの
偉人で異人のカサノバをフェリーニアプローチで描いております。

ニノロータのピコピコピコピコサウンドが実にユニーク

カサノバが「ことにおよぶ」時になる床(トコ)音楽なんですが、とっても印象的な音で鳴ります。

オマケにカサノバが、いつもセックスするときのシンボルなんでしょうか、

金のホニャララ(笑)、が出てきます!必見

ラスト付近のエピソードは、私は「女の都」の時も感じたんですが、
日本の影響が大きいですね!

フェデリコフェリーニの人形浄瑠璃に見えたりします。

カサノバは、本当に「ラブ」に一生懸命捧げる才人だったのかな?と思いました。

傷ついても何度も、何度も、「ラブ」を求め、究極にたどりつくまで、
繰り返すラブ求道者だったのかなと思いました。

フェリーニが魅惑的に魅せてくれたカサノバ伝でございました。

イヤーすごいなぁ、この感じ。欧州作家ではずば抜けた表現者だと思いますね、後期のこの自由奔放さに凄みをいつも感じます。

さて才人セクシャルラブ多き「カサノバ」

フェデリコフェリーニが表現したイマジネーションあふれる伝記カサノバ

フェリー二が描くカサノバ、ぜひご覧ください!






追伸
フェリーニ初期から遺作まで追いかけたいと思います。

本当に今になって

オモロ凄いフェリーニです!R30の作家だとおもいます。
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