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コンフィデンスマンJP プリンセス編のmiimのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

昨年から小手さんの件があり、東出くんの件があり、そして今回の三浦春馬さんの訃報。
もはやどんな気持ちで観たらいいのかわからなくなってしまった今作。
お決まりの「目に見えるものが真実とは限らない」が胸に滲みる。
それでも大好きな作品なので劇場に足を運んだ。結果、いろんな思いがあったのに、始まってしまえばその面白さにぐいぐい引き込まれて現実を忘れて楽しめた。役者さんの凄さとエンターテインメントの素晴らしさを改めて感じることとなった。

ダー子のはちゃめちゃなテンションや景気の良い展開が相変わらず気持ち良い!
いろいろあった東出くんもボクちゃんになってしまえば、ダー子との掛け合いが最高に可愛いし、どんな姿もやっぱりすごく絵になる!
リチャードも五十嵐もいい味出しててこの作品には必要不可欠だし、お馴染みの詐欺師や子猫ちゃんたちの登場にテンションが上がる!この作品に出てくる詐欺師はみんなキラキラしてる!
今回のオサカナ、フウ家の人々もキャラが立ってて素敵だったし、赤星さんはもう可愛く見える(笑)
ジェシーが出てくると胸の奥がキュッとしたけど、それでもスマートな身のこなしがすごくかっこよかったし、かと思えばコミカルな顔で笑わせてくれた。

そして今回のヒロイン、コックリ。
まずコックリ役の関水渚ちゃんが笑顔がキュートでめちゃくちゃ可愛い!
詐欺師としては純粋過ぎて頼りないコックリだけど、ダー子が言っていたように全ての人の幸せを願える純真さを持った、本当の意味での高貴さを持った子。そういう意味ではレイモンドが探した本物のミシェルだと言っても過言ではないのだろう。

今回は大金を手に入れてスカッと終わるお馴染みの展開とは違ったけど、ドラマの「家族編」のようなあたたかさのあるストーリーにじーんとした。
儲けがゼロでもダー子がニコニコしていて、観ている方も爽快な気持ちになれたのは、みんなが幸せになれた終わり方だったからだろう。
ミシェルの真相も面白くて、粋な展開で良かった。

しかし全てを包み込んでくれるような髭男の曲を聴きながら、ゆっくりと現実に戻った時、あのはにかむような笑顔の綺麗な人はもうこの世にいないのだと思い出し、涙が出た。
きっともうジェシーには会えない。
だってあんなにキザなのに爽やかで、スマートなのにコミカルで、あんなに綺麗な人の代わりはいない。
エンターテインメントは辛い現実を忘れさせてくれる。素晴らしいエンタメを私たちに届け続けてくれた彼自身も、きっとエンタメに救われることはあったはずなのに。
「信じればそれが真実」。今回の作中のダー子の言葉だ。ちょっとくらいズルくてもいいから、信じたいものを信じて生きていて欲しかった。これからも当たり前のように、何度も劇場で彼に会いたかった。
今はただ、安らかに眠られていることを祈ることしかできない。御冥福を心よりお祈りいたします。
素晴らしい作品をありがとう。
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