Kurumi

花束みたいな恋をしたのKurumiのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.3


とても懐かしくてぎゅーっとしてふわっとして、観た後が心地いい。
恋愛映画のジャンルなんだろうけど、他の恋愛映画と並べたくはない、違うところにそっと置いておきたい映画。

劇中歌のNIGHT TOWN、勿忘、がこの映画を象徴していると思う。

恋が全部花束みたいなわけじゃないけど、たしかに、思い出す大切な恋は花束みたいだと気づく。
花束って、既に美しくきらきら咲いてるものもあれば今から咲くよっていう蕾のものも混ざっていて希望あるものやけど、一度満開に咲いたら、あとは、どれだけお水を変えても、悲しいけど散りゆくもので、それはどれだけ散ってほしくないって願っても止められなくて、でも散った後は、毎日に彩りを与えてくれてありがとうって思う。
そして、また花束と共に生活したいなぁって気持ちにもなる。

誰かと共通点がわかったときの嬉しさ、
そこから恋に落ちるまでのスピード感、
世界には2人だけいればそれでいいとさえ思えるくらいの瞬間、
離れたくないけど2人じゃどうすることもできないこと、
最後の日は笑って過ごしたいなって思うのに大切な感情がたくさん湧いてきて離れがたい気持ちにもなること、
とても丁寧に、大切に、描いてくれてた。

やっぱり坂元さんの言葉選びが本当にすてき。
電車に乗ることを揺られると言った
じゃんけんで紙は石に勝てないこと
イヤホンのLRの話
始まりは終わりの始まり
とか、そういうところ、もう、本当に好き。

劇中の本、歌、ぜんぶ見たいなぁとも思った。
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