このレビューはネタバレを含みます
2人は好きなものの共通点が多過ぎてそこが運命的で付き合うことになる。
けど、人の本質は好きなものに対して、なんで好きか?どうして好きなのか?というような背景にあらわれると思う。そんなことを語り合う場面がなかったことが、結末の理由なのかなと思った。
そして終盤、2人がお別れしたあと、
麦くんが、「絹ちゃんが何を見てどう感じているかな?」って空想をする場面が、その伏線回収に思えた。違うかもしれないけど。
そもそも2人は育った家庭環境の違いも相まって、根本の考え方のプロセスの部分が違い、自分軸の持ち方が違ったことが、徐々にすれ違いにつながったのかな。所詮他人だから、そんな部分のすり合わせは難しい。
私は人間関係を考える上で「遠慮と我慢のレベルの設定」という言葉が好きで。
それに似ているけれど、個々の違いを理解はできなくても受容しようと努めること、そして自分が受容できる範囲内にいる人と深く付き合って、そんな相手を大切にすることが大事なんだと思う。
麦くんが、前に好きだったものが「入ってこない」、パズドラしかできないと言った場面は刺さった。私も余裕を持って生きたいな。
カップルで見ない方がいいと言われているけれど、真剣に付き合っているなら男女で見て、観賞後に感想を言い合えるような、そんな関係が素敵だなあと思った。