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花束みたいな恋をしたのrinのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.9
「クロノスタシスって知ってる?」

きのこ帝国の「クロノスタシス」映画で初めて知って聴いてみた。歌詞から映画のあるシーンが彷彿させられたり、あの淡い夜道の感じがなんだか同じで。

クロノスタシスは、時計の針が止まって見える現象のこと。出逢った夜、そして楽しかった日々は、時が止まったように自由で無限の二人。
一緒に過ごす時間は、全部が綺麗で美しくて、それが一生続くものだと思ってしまう。
だけどいつかは二人も無限の時を無意識に抜け出して、一人でどんどん進んでしまう。
時計の針が止まったような日々は若い時だけ、時は過ぎ去る、なんて言うけども、時は変わらずそこに居て、自分が勝手に突き進み、途中で枯れた花束も置いてきてしまうのではないか。

いくら美しい花束も、いつかは枯れる。


イヤフォンは、LとRで音が違う。確かに、2人でひとつのイヤフォンで曲を聞けば、一緒に居ても違う曲を聞いている様なもの。
でも、同じ空間でそれぞれが別のイヤフォンをすれば、一緒の曲を聴いてもお互いを遮断してしまう。イヤフォンは2人を繋ぐ糸でもあり、時には壁にもなってしまう。
この映画を観たあとのカップルはどうするのだろうか^^;

坂元裕二の言葉選びがどれも素敵すぎる。
普通こんな脚本、台詞書けない…。
映画というより文学作品のような。



個人的に、’’神’’を前にして魔女宅実写版?!のシーンが面白かった。俺結構映画通なんだよ〜からのショーシャンクも、あるあるなネタとして面白い。笑

沢山の本や映画、漫画、ゲームなどが出てきて、これはCMなんかよりよっぽど広告効果大だな!!とか思ったり。これを気に本を読む人増えるだろうな…

そして今自分が読んでいる本にはしっかり映画の半券をしおりにしている、そんな自分は優秀な程単純で、少しにやっとしてしまった。

どんなに多くて美しい花束も、いつかは枯れる。
そのことを絹ちゃんは分かっていたのかな。。
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