福岡拓海

花束みたいな恋をしたの福岡拓海のネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

2/19、久々に純愛が観たい!ということで映画館に足を運んでみました。が、まんまと予告に騙されました笑
この映画は、ラブロマンスというにはロマンスに振り切れておらず、要所要所でとても現実的であるのに、恋愛において必要である相手への思いやり、どこを尊敬しているか、のようなことが細かく描かれていなかったり、、
出会いがフィクション寄りであるからこそ(ライブのチケットに、好きな音楽や映画が一緒すぎる?靴まで?!)そのままラブロマンスにするならしてほしい作品でした。
個人的には、相手のどんなところに惹かれたのか(考え方、言葉のチョイス、など)が描かれていたのはとても良いポイントでした。もし、その後の生活で相手のどこを尊敬していたり、自分の譲れないもの、好きなもの、、などもっと趣味ではない人間的な部分の心の揺れ動きが描かれてたら大満足だったんですけど、、
他に特徴的だったのは、サブカル対大衆のような社会風刺も描かれていて、ただのロマンスにしたくない作品なのかなぁ、とも思いました。ただリアリスティックに寄せていくにはどっちつかずというかなんというかでした!笑

さて、この作品は、付き合って2年生活を続けて、麦が就職するまでは心躍るようなラブロマンスなのですが、そこから先は2人がすれ違っていく、互いの違いが見えてくる描写が続きます。ここでまだラブロマンスを期待してみていると、なんで?!なんで?!というツッコミを入れたくなりますが、(私はもっとキュンキュン要素を期待してました笑)そこから現実的な視点を持って作品を見てみると、なるほどリアルだなぁと腑に落ちるような部分もありました。(決して全てではないですが、笑)仕事に追われる麦、絹のことを思いやれなくなってくる、一緒に話したことの内容も曖昧になったり、仕事が休みの日に趣味が息抜きならない、2人の大切な思い出のパン屋さんが潰れても仕事が優先されてしまう、、やがて、2人で送りあったイヤホンが同じ空間にいるのに2人を隔てるものになってしまった描写などは、考えさせられるものがありました。しかしながら、別れのシーンではまた現実ではあり得なさそうなロマンス描写が、、?!もしかして現実ってこのくらいロマンスしてるのが普通でしたっけ?あれ?という冗談は置いといて、
この作品は監督が何かを伝えたいのか、それともお話として観客にただ見せたいのか、今でもよくわかりません。「花束みたいな恋をした」の伏線も花束は移り行く、枯れるもので、でも思い出として残ってるみたいな軽い解釈でいいんでしょうか。物足りない。

最後に、この作品が何かを視聴者に考えさせる、訴えているのであれば、テーマは、学生の恋愛と大人の恋愛の違い、人生における仕事の意味、考え方のすり合わせとかになるのでしょうか??わからん。どれも無理矢理感がありますね笑
2人のすれ違いはしっかり話し合っていればどうにかならなかったんでしょうか?2人で一緒にいるために働く、2人で一緒にいるなら楽しく居たい、、ここら辺からのすれ違いがもう元には戻れない大きな考え方の違いだったのかなぁ、麦の目的錯誤というか、なんというか、麦!しっかりしろ!
それに、好きなモノが同じということが好きになる理由の大部分を締めていると、それが少しづつズレた時に、好きになった理由が、嫌いになる理由に変わってしまうのかもしれないなぁ。でも趣味が一緒ってだけで4年半も一緒に居られないよなぁ。他にどんなところに惹かれてたか、それをお互い伝えて欲しかったし(描写して欲しかったし)、コミュニケーションって大事なのになぁ。
と感想もぐだぐだになってしまうような映画でした。
個人的には嫌いではない!!