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花束みたいな恋をしたのenのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.5
一般男性と一般女性が出会って恋愛し、別れるまでを描いた話
ただそれだけだけど、ディテールの緻密さとメロドラマ的展開のなさが現実世界とのつながりを強く感じさせる。両者のスタンスが示すものは理解できる。しかし劇中の描写の生々しさから、まあ二人とも他人だし自分からしたらどうでもいいやと思えるほど俯瞰させる構造が新鮮な感覚を味わえた。

人とは違う独特な感性を持ち、狭い共感の中だけど人からは深い理解が欲しいみたいな価値観は案外特別なことはない皮肉が効いてる。こういうことをくさし始めたら、何もかもバカバカしくなり何にも熱が入らなさそうな怖さがあるなと。くさすこと自体がダサいけど、ダサいと思う行為自体もダサく思えてきて、自分の関心や領域外のことは別の世界で起こっていることとして無関心でいることが自身に危険を伴わないんじゃないかと...最近の自分の思うこととどこか繋がりを感じてしまった。
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