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花束みたいな恋をしたのdm16のレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.8
リアルなようで綺麗すぎる印象が残った。

映画を観ているのに小説を読んでいるような気分になる、言葉回し。

奇跡のような運命的な出会い以外は何も大きな事件とかはなく…本当に穏やかに優しい2人の日常が描かれていた。
そして大学生から社会人にステージが変わり、考え方の変化、環境の変化、度重なるすれ違いの連続。見てるこっちまで辛くなった。

何が悪いってわけじゃない、どっちが悪いってわけでもない。でも二人の関係性の何かがズレていって、歯車が噛み合わなくなっていく空気感がすごくリアルやなと思った。

最後のファミレスのシーンは涙目必至。

でも1つ私の中で惜しかったのは、絹ちゃんに感情移入できひんかったところ。
あの家に住み続けるのになぜフリーターのままなのか…金銭的な面で麦に甘えていたんじゃないかとか…色々考えてしまったらどうにも共感できず。麦のほうに感情移入してしまった(笑)

あと最後の、前向きに明るく別れる感じが綺麗すぎて少し冷めてしまった。ごめんなさい。

「花束みたいな」の解釈
最初のような綺麗な状態がいつまでも続くわけではない(やがて枯れてしまう)という意味なのだとしたら、今の自分の恋愛は花束みたいな恋でなければいいなと思った。

ある程度経験を踏んだ大人やからこそ面白いと思えそう。
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