「偶然を奇跡だと思えるような季節がある」
「花束みたいな恋をした」鑑賞。
終電を逃したことで偶然出会った麦と絹。
好きな映画や音楽や本が一緒…会ってたら会ってた分だけ楽しい二人は恋に落ちる。
同棲を始めても楽しい日常が続いて、現状維持が目標と言い合える関係。
最高の5年間を過ごした二人はそれを忘れ得ない季節として心に刻む。
純度の高いラブ・ストーリーなのに30代以上がキュンキュンすると話題。
かなり情報量の多い作品なので、知らないネタはスルーでＯＫ。
今村夏子のピクニックを知らなくても、宝石の国を知らなくても、天竺鼠を知らなくても問題は無い…つまりは二人の趣味の話なので。
年配層（この言い方も難があるけど）にうけているのは、偶然が醸し出すエピソードがどこかしら過去の記憶と琴線をくすぐるからじゃないか…と思う。
あるあるネタという訳でもないが、悶々とした時代に同じ感性をもって出合った二人はそりゃ…恋に落ちる。惹かれ合う温度が近いとすれば尚更だ。
「愛がなんだ」と同様に観た後に語れる余白がとても大きい作品だな。
かなり…良かった。もう一度観たいレベルだわ。
