全編の空気感やちょくちょく映る街並み・風景は間違いなく、2016年卒の自分にとって「我々世代」の映画と感じた。30年後に見たら、より懐かしい気分になれるだろう。
とても丁寧で程よいリアリティと優しさのある恋愛映画。途中から価値観が色々と豹変する菅田将暉は露骨すぎる気もするが、20代前半のイキリと考えればそんなものか。
現実では大抵女性が現実的、男性が現実逃避なイメージもあるが、映画中盤くらいまではそれの逆だったのが、この映画を印象的にしてる気がする。
特に後半は菅田将暉には共感できないなーと思ったけど、学生時代〜入社初期を思い返せば、彼と似たようなひどいことを言ってたりしてた気もするし、その見る側にチクリとさせる点も脚本が絶妙。
トレンディドラマ時代からのベテラン脚本家なせいか、何かと奇跡を起こしがちな気はするが（笑）、安価空っぽお花畑ラブコメとは比較にならない、しんみりする良作です。
